2019年6月10日3 分

デザインあ/にんてんどう

設計事務所の仕事は基本どこでもできる仕事です。自宅でも外出先でも、図書館でもスタバでも電車の中でも。そうやって仕事していると困ったことに一日中、土日にうっかり打合せを詰め込み過ぎてしまうと全然休んでなくても仕事したり考え事したり模型に取り組んだりしてしまうので、土日で空いた日は意図的にどこかに出かける様にしています。

先日の日曜日は打ち合わせがなかったので息子と二人で遠出し山梨県立美術館まで、「デザインあ展」に行ってきました。内容は、、、本当に素晴らしい。予想や想像をはるかに超えて質が高い!分かりきった内容とはいえ、佐藤卓さんを筆頭とした日本を代表するデザイナーの頭の中を覗くことができたようなひと時でした。

基本的に子供向け番組なので、子供が楽しいのは当たり前なのですが(当たり前とはいえ子供が純粋に楽しめる企画をつくることは本当に難しく、それができてしまう時点で全く当たり前ではないのですが)、同時に同じものが大人でも十分に楽しめる内容であることは、恐ろしいレベルでのデザインが展開しているからであり、ただただ感嘆です。この、年齢に関係なく誰でも高いレベルでデザインを楽しむことができる展示は本当に素晴らしく、同時に非常に難しいのですが、同じような質の高いデザインという意味いつも考える会社があります。任天堂という会社です。一つのゲームで子供、特に幼児の年代から学生、社会人、高齢の域の方まで、初心者でも慣れた人でも同じ土俵で十分に楽しませ、かつ質の高いデザインレベルを保ち、安心感を与えることができることに毎回感心している次第なのですが、自分も任天堂のような住宅をつくりたいと、何を言っているのかわからないのですが思う時が多々あります。どの年代でも等しく楽しめる、という事がとても重要なように思えていて、住宅も完成してから少なくても40年は存在し続けるものですから、それこそ子供からお年寄りまで均等に楽しめ、心地よく安心できる、という点において、任天堂がゲーム作りの基本としていることと、住宅を作っていく上での根本的考え方は近いのかもしれないと思っています。本来は大手メーカーがカタログの架空の住宅だけでなく、建てている建物の質を1件1件地道に上げていくことで、フォーマットが出来ていくのですが、通常は営業がヒエラルキーのトップにいるメーカーの場合、販売自体が目的になってしまいこのような取組までたどり着けないのが現状なのですが、できる限り自分のような個人の設計は頑張って伝えていけば施主にもきっと理解してもらえると信じて質を上げる努力を常に行っていきたいと思います。

だんだん書いている内容が横道に逸れてしまいましたが、デザインあ展、よかったのでおすすめです。