sadachbia
We are considering a way of living where the height of the viewpoint is consistent by using steps.
2015
Utsunomiya City, Tochigi Prefecture
Housing
design
Polar Star Design First Class Architect Office, Toru Nagasawa
construction
Ikeda Construction Co., Ltd., Yuji Onuki
Planting
Scenery by NOLA and Takaaki Hasegawa
photograph
Hironori Tomino/Toru Nagasawa
Winner of the runner-up award in the "Miele Home" competition
住宅地に立つ2階建てのおうちです。
周りを家に囲まれているのですが、更地だった敷地に立ってよくよく見てみると、近隣の住宅の窓や視線を回避しながら開放的に過ごせるイメージができたので、今回はそのイメージをゾーニングに落とし込んでみました。とはいえ、実はヒアリングの当初から僕にはなかなか理解できないことがありました。
他の現場の見学会で奥様から段差のある家を見る度に「なんか段差がいい!いいな〜」という感想を頂いていたのですが、なぜいいのかは分からないままだったのです。
ただ、これがこの家の要望であると思い検討してみました。段差のある状態がいい、というのは段差を見て楽しむのではなく、段差を通過した時の視線や視界の上下動による変化こそが醍醐味ではないかと 打ち合わせを重ねながら奥様の反応で分かってきました。
通常の間取りに段差を与えながらそこを通過するような動線をつくり、上ったり下りたりを日常的に行える。それによって視界の変化が楽しめることを目指し、同時に、その段差を別のことにも活かしてみようと、キッチンとダイニングを大きな一枚の板で構成し、何段もの段差を利用してそのカウンターを 座卓、テーブル、キッチンカウンターとポジションの違う各場所で使いながら、最終的に皆の視点の高さがほぼ同じになるというアイデアでこの住宅はできています。
カウンターはあたかも温泉の水面のようで、水面に潜っていきながら落ち着いてしまうと、ぼーっとくつろげる。そしてまた、温泉からあがって活動的に過ごしてもらうための回遊動線をもった住宅です。
