POLARSTARDESIGN ARCHITECT OFFICE

 

ポーラスターデザイン一級建築士事務所​

平屋を選ぶということについて


垂直より水平・人間の視野のはなしから。

人間の視野は垂直方向に約125度程度(上50度下75度程度)なのに対し、水平の視野が左右で200度程度あり、単純に考えても普段見ている視界は横長なことがわかります。つまり普段縦横比1:1.6の横長視界で景色を眺めているので、首を上下に振らない限りは水平方向に距離や広さをより認識できるとわかります。ちなみにこの比率は1:1.618という黄金比に近似していて、自分は普段の画角が美しいと判断することにも影響を与えているのではないかと思っています。

少し話が逸れてしまいましたが、通常広く明るくと求められる住宅の場合、層を重ねて床を分散して作るより、1層でできる限り面を広げた方が広く感じることは自明で、そういったことから平屋が求められたり、こちらから提案したりという関係が出来上がっている一面もあると思います。

ただ同時に、視界を延長して広く感じることを主旨として平屋を勧める場合は、間取りとしてもきちんと奥行きを出したり、広く見えるように整えたり、家具の配置に気をつけたり、様々なギミックを複合的に採用することで初めて、本来の目的である「広く」を獲得できることになるので、単純に2階部分に納まるべき部屋を1階に降ろしてきただけでは本当の意味では広くならないことはきちんと理解しないといけないと思います。安易に寝室や子供部屋などを1階に降ろして「平屋」とした場合、防犯上夏場に窓を開けて風を通して難しくなったり、敷地周辺からの視線にかえって悩まされたり、広く感じない上にデメリットも多くなってしまうこともあるので、やはり平屋の間取りには作り方のコツがあると思います。

実際の奥行きや脳内の想像力を加えながら行き止まりにならない「回遊動線」を全ての部屋に組み込みながら、通常空間よりも広く感じるようにしたり、プライバシーと防犯のために壁を用いて中庭をつくりながら、さらにカーテンを不要とすることでさらに広い空間を獲得する「コートハウス」というかたちを取り込んだ間取りの作り方は、平屋にとってプラスとなることが多いギミックと思います。ここらへんの話はまた次回以降にしっかり書こうかと。


写真は平屋で廊下をスタディスペースとした際のかたち、平屋の場合近い目線の高さの屋外道路などから見られることもあるので、プライベートな個室は外周からスタディスペースを挟んで一段階内側に配置。寝るときは隠れられる、ちょっと活動的に勉強するときなどは窓に面していても大丈夫な感じ。ちょっと安心感が高まります。