algenubi
市街地に建つ三角形の中庭を持つ住宅
2022年
静岡県三島市
住宅
設計・工事監理
ポーラスターデザイン 一級建築士事務所・長澤徹
施工
株式会社鈴木工務店・長谷川卓也
照明
大光電機株式会社・高木英敏・石田未央
植栽
装景NOLA・長谷川隆明
撮影
藤本一貴
市街地の駅からほど近い、準防火地域での計画です。
交通量の多い広い道路に接し、間口が狭く奥行きが長い、いわゆる「鰻の寝床」のような敷地。さらに北西には中層ビルがそびえ、上階からの視線も気になるという、都市部ならではの難易度の高い条件からのスタートでした。
施主が切実に求めていたのは、外の喧騒や視線から解き放たれた、静かで開放的な暮らしです。
・交通量の多い道路からの騒音や視線を遮ること
・限られた面積の中で駐車スペースと庭、そして風通しを確保すること
・カーテンに頼らずに広くのびのびと過ごせること
これらの要望を、この細長い敷地の中にどう落とし込んでいくかが、検討の焦点となりました。
まず、道路側には駐車スペースと玄関を潔く配置しました。
その奥へと続く空間を暗く停滞させないよう、2層分の高さを持つ中庭を設け、光を敷地の奥深くまで引き込む計画としています。
通常、こうしたケースでは「コの字型」のプランで中庭を囲むのがオーソドックスな手法です。しかし、検討を重ねる中で、コの字ではどうしても「角」にあたる部分が中庭から遠ざかり、ゾーニングに無理が生じることが見えてきました。
そこで今回、建物の軸線をあえて斜めに振り、中庭を「三角形」のかたちに切り取るという手法を試みました。
中庭を三角形という 軸線を振ったことで、家のどこにいても中庭が視界に入り、光と風の恩恵を等しく享受できるようになりました。
この一つの中庭が、階によって異なる景色を見せてくれます。 1階では上部から落ちる光のと植栽の幹と下草を楽しめ、2階へ上がればバルコニーのすぐ目の前に枝葉が楽しめます。
外に対しては防音とプライバシーを考慮して閉じた形状としていますが、一歩中に入れば、そこにはカーテンのいらない開放的な世界が広がっています。
都市の喧騒の中にありながら、中庭によって外との距離を適切に保つ。
単純な一般解に頼らず、敷地の特性を公式のように解き明かすことで、実際の面積以上の奥行きと静寂を獲得した住宅となりました。






















