ancha
三世代で住み継ぐ住宅を考える
2025年
東京都武蔵野市
住宅
設計・工事監理
ポーラスターデザイン 一級建築士事務所・長澤徹
施工
株式会社宮嶋工務店・松村康平
照明
大光電機株式会社・高木英敏・渡邉幸恵
植栽
装景NOLA・長谷川隆明
撮影
本間匠
一つの敷地内に二つの住まいが向き合い、一つの庭を共有する。 三世代の家族が「母屋と離れ」のように程よい距離感で暮らす、そのあり方を模索するする建替計画です。
今回は南側に位置する小さな住まいの建て替えですが、その設計プロセスは現在と将来の時間軸を結びつける作業となりました。
現在は子世帯が暮らしていますが、将来は親世帯がここへ移り住むことが想定されています。二つの世帯の異なる要望を一つの器に集約しつつ、住まい手が入れ替わる際には、最小限の手間で間取りを更新できる可変性を持たせたプランを検討しました。
1階は、生活のすべてを完結させたいという要望に応え、将来の車椅子利用までを見据えた回遊動線を採用しています。この動線の特徴的な点は、浴室までもが回遊路の一部となっていることです。端部に配置した浴室は両側から出入りが可能で、日中の乾いた状態では玄関から洗面・トイレへと繋がる便利なショートカットとしても機能します。
限られたLDKを最大限に広く使うため、キッチンは壁付けを選択しました。このキッチンから延長するように洗面、脱衣まで一続きの長いカウンターを造作し、機能を集約した一本の壁面を構成。水平なラインを強調することで、空間に奥行きが与えられると思い計画しました。
2階は、家族の気配を感じながらも個を尊重するプライベートなフロアです。各室はコンパクトながら、すべての部屋に二方向の出入り口を設けました。一方は収納を兼ねたホールへ、もう一方は家族全員が利用できる共有のスタディスペースへと繋がります。
家の中を移動すると「プライベート」と「パブリック」が交互に現れるこの動線は、家族間の程よい距離感を生み出す仕掛けでもあります。スタディスペースの窓は、今回の計画で残すことになった庭の立派な百日紅
に高さを合わせました。机に向かうとちょうど目の前に美しい枝葉が広がり、庭を介して母屋との繋がりを再確認できる場所となっています。
世代を超えて住み継ぐための合理的な機能性を、家族をゆるやかにつなぐ回遊性と庭の景色で包み込む。コンパクトながらも、時間の流れに寄り添う住宅となるよう配慮した計画です。

















