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浸水対策住宅を考える

2024年

埼玉県久喜市

​住宅

設計・工事監理

ポーラスターデザイン 一級建築士事務所・長澤徹

施工

シグマ建設株式会社・関根達也

照明

大光電機株式会社・高木英敏・渡邉幸恵

植栽

装景NOLA・長谷川隆明

撮影

本間匠

2025年度グッドデザイン賞

​第12回埼玉県環境住宅賞 審査員特別賞

長雨や豪雨による影響で河川が氾濫し、住宅が浸水するケースが増えていますが、そういった災害時を想定した家づくりの実例となります。 建築地は、ハザードマップ上では災害的大雨による利根川決壊時に、2m程度浸水するエリアとなっています。

この地に住宅を建築する施主は、平常時にも暮らしやすく、災害時でも安心して自宅で過ごすことができ、災害後もスムーズに平常時に生活に戻れるような設計を要望されました。

 

生活の大半である平常時のプランの考え方として、1階をビルトインガレージと寝室、2階をLDK+水回り、3階を子供室とすることで、基本的に大人の行動範囲が2層で完結するように配置し、機能や生活時間が集中する2階部分は回遊動線を採用した使い勝手の良い間取りとしています。

断熱性能等級5、太陽光発電、蓄電池を用いZEH住宅基準をクリアしながら、上下階の温度差を解消するために上下階での空気にサーキュレーションを実現できる仕組みを取り込んだ、温熱環境及び省エネ性能の良い住宅となっています。

 

非常時である河川決壊時2m程度浸水した際の対策として、家の中に水が入らないように窓は全て浸水高さより高い位置とし、1階の玄関ドアは浸水時には止水版で塞げるようにし、屋内への水の侵入を防いでいます。その際は、屋外階段を利用して2階部分からの出入りが可能です。

屋外の汚水枡には逆流防止弁を設置できる検討を行い、浸水時にトイレや排水から屋内への水の侵入を防いでいます。

設備機器を水没から守るために、2階にRCで持出の設備スペースを設け、全て配置しました(エアコン室外機、エコキュート、蓄電池、パワコン、電力メーターなど)

太陽光と蓄電池の設置で、非常時も電気が継続して利用できるようになっています。

 

災害後の復旧として、万が一屋内に水が侵入してしまった際も検討してあります

通常屋内に水が浸水した場合は、内装を全て壊さないと浸水箇所が確認できず、グラスウール系の断熱材は一度濡れると復旧が難しいのですが、今回は1階の床と壁の材料は全て乾式固定とすることで全て取り外し可能な形とし、断熱材は発砲ウレタン系の材料とすることで、濡れた部材もきちんと乾燥させ復旧できる構成としています。

 

この住宅は「安全性」「快適性」「復旧性」に関して通常以上の検討をしつつ、デザインとしても奇抜とならないような普通の住宅を目指してプランニングを行いました。

コンクリートの安全性と木造住宅の居心地をバランスよく採用しながら、単に“災害に備える”のではなく、“災害時にも生活を維持し、速やかに復旧する”ことを可能にした、極めて実用的かつ先進的な災害対策ができるように検討した住宅です。

 

POLARSTARDESIGN ARCHITECT OFFICE

 

ポーラスターデザイン一級建築士事務所​

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