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無印良品と私と


私の事務所に依頼をいただく方のほとんどの方は、無印良品のファンであり愛用者であることが非常に多いです。

時々これについてなぜなのか考えるのですが、基本的に好きなものや価値観が近い方から依頼をいただいた方が、考え方や出来上がりのイメージが共有しやすいのかもしれません。

周知のことかもしれませんが、原研哉氏や深澤直人氏などが裏方として方向性や存在の仕方を絶妙にコントロールしていることで出来上がっている、恐ろしくバランス感覚の良い商品群を抱えたまさに「無印」なブランドなのですが、この社会や日本的な文化や思考を水平に切り取ったような考え方には本当に感心します。

ほとんどの商品は「これがいい」ではなく「これでいい」のレベルで普通の家庭生活に入り込んできて、存在感なき存在感で他に替えがきかない部分を担っています。

この非常に高いレベルでの「ふつう」という設定が無印良品の本当の凄さであるとともに、その努力を微塵も感じさせないフラットな展開は常に見習うべき点が本当に多く参考になります。

自分の事務所が作り上げる住宅作品も、比較的唯一解ではなくライフスタイルや生活年次の積み重ねでのズレを吸収できるぐらいの余白があるかたちであるといいなあと常に標榜していますし、多分毎回そういう感覚が求められているのだと思います。

そんなこんなで私自身も非常に多用愛用している生粋の無印良品マニアです。


写真は意図して撮ってもらった訳ではないのですが、出来上がった写真を施主と眺めて「無印のカタログに載ってそうですね」と話した1枚です。「zubeneschamali」より。

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